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過誤・錯誤を犯さない方法はない。

2015.11.6
 人間は後ろ向きに新しい時代に入っていくとある経済学者は言った。「後ろ向き」とは「過去」を見つめながらという意味だろう。人間はそうせざるを得ない。なぜなら、未来はわからないし、見えないし、そもそも存在しないものだからだ。それに引き換え、過去は現実にあったものだから、その過去のトレンドを未来に延長することによって未来はこうあるはずという見込みをつけることができる。「後ろ向き」とはこういう意味だ。
 しかし、過去のトレンドで測った未来の予想図は大抵予想外となる。未来は過去とは違うからだ。どうなるかといえば、大体予想・目論見に反した結果となる。それは場合によっては「過誤・錯誤」となる。
 軍隊の戦闘において、敵と味方との勝敗について、よく「より少ない誤りを犯したほうが勝つ」といわれる。敵も味方も五里霧中のなかで、お互いに過誤・錯誤を犯すが、より少ない過誤・錯誤をなしたほうが勝つというわけだ。
 軍隊の戦闘だけではない。個人、集団、共同体の行為にもその「過小過誤の法則」は成立するのではないか。
 では過誤・錯誤を犯さない方法はないものか。
 ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言った。しかし、歴史は難しい。一つの史実の見方・解釈は複数あるのである。従って、歴史に学んでも、過誤・錯誤は避けることができない。ということは、人間は愚者も賢者も錯誤を犯すということだ。