読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ハイデガー

ハイデガーは1889年、「南ドイツの深々とした田園地帯(メスキルヒというドナウ川の近くの町であるー引用者)に、カトリック教会(聖マルティン寺院)の堂守の子として生まれた。質素な生活。だが世界は満ちたりていた。伝来の信仰がそれを補強した。秀抜な…

鹿野忠雄の文章

「風表を除けて谷間に下りたせゐか、風当りは弱くなって、やがて何時ともなく静まつた。柔い触感を以ってソットかき抱く様なベニヒとニヒタカゴエフの麗しい針葉。森の木下道は人の心を優しくする梢を通して漏れて来る雨滴の音に聞き入り、無邪気な小鳥の声…

経験主義について

野矢茂樹は野矢の師匠だった大森荘蔵を評して、こう書いた。 「大森は生涯経験主義者であり、かつついでに言わせてもらうならば、独我論者であった。」(野矢茂樹『大森荘蔵―哲学の見本』講談社、2007年p.181) 経験主義者とは、経験を超えるものを否定する…

「人生はまともでない」か

「人生はまともじゃない。ひとは断りなしになかに入ってきて、行く先もわからずに出て行く。しかもそこにいるときは何をしているかわかっていない。」(作者不詳) 上記の文章を、その真意を損なわないように読み砕いてみた。 ①「人生はまともじゃない。」つ…

キューブラー=ロス『死ぬ瞬間』

2016.7.11 キューブラー=ロスは『死ぬ瞬間』という著書で、死に直面した人間の気持ちを下記のように分類した。(出典は下記) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E3%81%AC%E7%9E%AC%E9%96%93 第1段階 「否認」 患者は大きな衝撃を受け、自分が死ぬと…

不死でありたい信仰

人間がこの世を去らざるをえない事態は、予測できない。だから、死ぬのならば、がんがいいと言われる。ある程度の猶予期間があるからだ。そして、「死に至る病」になったとき、では、「自分だけがいない世界」に、何か痕跡を残そうと思う人もいるだろう。 R…

中島義道の『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)から

中島義道氏の最新刊『不在の哲学』(ちくま学芸文庫、2016年2月10日)では、「不在」という概念が非常に大切なキー概念となっている。 哲学のアポリア(哲学的難問)のひとつに、「ものの見え方とその認識」というものがある。われわれがあるひとつの物を見…

ティーガー戦車について

エゴン・クライネ、フォルクマール・キューン『ティーガー 無敵戦車の伝説1942-45』大日本絵画1991年にはティーガー戦車がどれだけ生産されたかが、書いてある。 ティーガーIE型 1942年(4月~12月) 83両 1943年(1月~12月) 649両 1944年(1月~ 8月) …

死について

中島義道氏は『「生きることも死ぬこともいやな人のための本』(日本経済新聞社2005年p201あたり)で、死について次のように書いていた。(要約 —ひとがある日、完全に消滅してしまうこと。この宇宙の果ての果て、何億光年の時間が経過しても、ひとは生き返…

今日一日の生活

「今の生活は、また、明日も明後日もできるのだと考えずに、楽しんで芝居を見るときも、碁を打つときも、研究をするときも、仕事をするときも、ことによると、今が最後かもしれないという心がまえを、終始もっているようにすることである。そして、それが、…

生と死を考える

宇都宮輝夫氏は『生と死を考える―宗教学から見た死生学』(北海道大学出版会、2015年3月31日)で次のように書いている。 すべての人類史における、ほとんどすべての人間は「断ちがたい惜別と大きな悲しみの中で、人はつつましく死んでいったのです。彼らは生…

馬鹿の記念に

今年1月8日の予算委員会より、民主党の予算委筆頭理事である デマノイ和則の質疑から。(出典は以下のブログ)http://ttensan.exblog.jp/ -----山井「4日連続株価下落で7兆円運用損が続いてる!」 安倍首相「はい、安倍政権に入ってから40兆円規模で運用益を…

拒否したい事実に対して

ヘーゲルは『精神現象学』(作品社、1998年)に以下のように書いている。「かつてイメージの分析なるものが盛んにおこなわれたが、それは既知の形式を廃棄するものにほかならなかった。一つのイメージを原初の要素へ分解することは、少なくともだれでもが手…

過誤・錯誤を犯さない方法はない。

2015.11.6 人間は後ろ向きに新しい時代に入っていくとある経済学者は言った。「後ろ向き」とは「過去」を見つめながらという意味だろう。人間はそうせざるを得ない。なぜなら、未来はわからないし、見えないし、そもそも存在しないものだからだ。それに引き…

日々の随想

2015.9.20 過去物語りについて 小林秀雄が「歴史について」の中で、思い出に生きる老人のことを書いている。その思い出を語る老人は、「まことに微妙な、それと気づかぬ自らなる創作」のように「過去を作り直して」「過去の風情を色どる」ものらしい。 実際…

日々の随想

心の平安を保つために 心の平安が乱される原因のひとつに思いどおりにならないということがある。いらいらしたり、むしゃくしゃしたりするのは、思いどおりにならないからである。「こうなればいいな」または「こうなるべきだ」といった期待や当為は裏切られ…

日々の随想

心の平安を得るために こういう言葉がある。「変えられるものは変える努力をしましょう。変えられないものは、そのまま受け入れましょう。起きてしまったことを嘆いているよりも、これからできることを皆で一緒に考えましょう。」(加藤諦三) このごろ私は…